アルトコイン投資のポイント【基礎知識】

アルトコイン投資のポイント【基礎知識】

2021年は間違いなく、ビットコイン(BTC)の年であったが、細かいリスク選好を持った投資家たちは、アルトコインによって暗号資産(仮想通貨)ポートフォリオを多様化させている。

「アルトコイン」とは、「代替コイン」を意味する言葉で、ビットコイン以外の暗号資産を指す。イーサ(ETH)がおそらく、最も人気のアルトコインだろうが、暗号資産界の関係者たちなら、ビットコインから派生したライトコイン(LTC)、ステーブルコインのテザー(USDT)、そしてテスラのイーロン・マスクCEOがその人気を高めたミームコイン、ドージコイン(DOGE)などの名前を挙げるだろう。

暗号資産データサイトCoinMarketCapによると、世界には1万5000を超える暗号資産が存在している。ビットコインが市場の約40%、イーサが約20%を占めており、残りの約40%がその他のアルトコインから構成されるということだ。

株式投資と同様に、アルトコイン投資をするにもリサーチを行い、暗号資産市場をよく知る必要がある。アルトコイン投資の際に検討すべき要素を、業界関係者の声とともにいくつか紹介しよう。

アルトコインと規制

アルトコインについて議論する時に、否応なく上がる話題の1つは規制だ。

ニューヨークで先日開かれたブロックチェーンイベント「DeFiCon」のパネルディスカッションにおいて、アメリカの政治家向けのブロックチェーンテクノロジー教育を手がけるアメリカン・ブロックチェーン・イニシアティブ(American Blockchain Initiative)の創業者兼CEOアレックス・アレール(Alex Allaire)氏は、規制当局や政府組織にとっては、規制が最優先事項であると説明した。

「認知度の高まりには、監視の高まりが伴う」とアレール氏は語り、ビットコインやアルトコインが広範に馴染みのあるものとなった現在、政府関係者は暗号資産に関する議論を優先事項とし始めていると指摘した。

国家安全保障の観点から言えば、とりわけステーブルコインに関する明確なガイドラインを決定することに真の緊急性があると、同じパネルディスカッションの場で、ニューヨーク州選出のリー・ゼルディン下院議員(民主党)の立法ディレクター、コナー・カーニー(Conor Carney)氏は語った。

ステーブルコインとは、法定通貨(主に米ドル)にペグされたアルトコインであり、世界中で機能する。カーニー氏によれば、世界中のますます多くの国が、中央銀行デジタル通貨(CBDC)と呼ばれるデジタル版の法定通貨を作っていく中、ステーブルコインは米ドルが国際的な貿易力を維持する方法をもたらしてくれる。

しかしステーブルコイン規制は、国民感情に間違いなく影響を与えるような激論を巻き起こす問題である。FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長も、イエレン財務長官も、これまでステーブルコインに批判的な姿勢を見せている。パウエル議長は昨年夏、アメリカがCBDCを選べば、ステーブルコインは必要ないと語った。

しかしカーニー氏は、パウエル議長の立場に異論を唱えた。諸外国はアメリカよりもすばやくCBDCを開発しており、それは国家安全保障と国際貿易のどちらにとっても問題となり得ると、カーニー氏は指摘する。

「毎年、赤字を出して予算を組んでいることを考えれば、アメリカは米ドルが国際的な準備金通貨である点に大いに依存している」と、カーニー氏は語り、次のように続けた。

「中国をはじめとして、より速い速度でCBDCに他国が取り組んでいることを考えれば、米ドルが国際的準備通貨であるための唯一の方法は、アメリカが裏付けとなる資産を利用したアメリカのステーブルコインが、そのようなCBDCの準備資産となることだ」

アメリカが米ドルに裏付けられたステーブルコインや、米ドル建ての資産の開発に投資しなければ、国際的な影響力の多くを失うことになるだろうと、カーニー氏は指摘した。

そのため、アルトコイン投資家にとっては、テザーやサークルのUSDCといったステーブルコイン購入を検討するには今が最適だ、と言うこともできるだろう。

市場センチメントを読む

興味を持っている特定のアルトコインをめぐるセンチメントが低調な時には、良いサインかもしれないと、ブロックチェーン企業ライト・ノード・メディア(Light Node Media)の共同創業者兼CEO、ネルソン・マーチャン・Jr(Nelson Merchan Jr.)氏は語る。

「安値で買って高値で売る」という原則は、伝統的株式市場と同じようにアルトコインにも当てはまる。マーチャン氏によれば、新しいブロックチェーンプロジェクトやアルトコインをめぐるニュースがソーシャルメディアに広まったら、プロジェクトが束の間の名声を享受する間にデューデリジェンスを行い、騒ぎが収まるまで待ってから買う方が賢明だ。

「市場が大いに熱狂している時には、最も期待できるコインのリストを作るのに役立つような情報や騒ぎが多く飛び交う」と、マーチャン氏は指摘した。

ニュースになるようなアルトコインに関する話題はすべて、将来について考えるために立ち止まるためのサインとして利用しよう。6カ月後、あるいは数年後に、特定のプロジェクト、アルトコイン、ブロックチェーンソリューションを必要としたり、求めている世界を想像してみよう。

例えば、ブロックチェーンプライバシーやデータ主権は、新しく必要とされる分野だと、マーチャン氏は説明する。投資家は、永続性があり、価値が長く続くと考えるプロジェクトのユーティリティトークンの購入を検討するのも良いかもしれない。

ゲームの世界では、どの分散型金融(DeFi)ゲームコミュニティーが、近い将来軌道に乗るかを検討し、そのシステムのアルトコインを買うこともできる。

「ここ数週間起こったように、市場で修正が起こる場合には、ゲームや暗号資産プロトコルの多くが40〜50%下落し、センチメントが著しく低下する。人々は徐々に、それについて話題にすることがなくなる」とマーチャン氏は述べる。「だからこそ、ゲームのナラティブはどこにあるのか?すでにピークに達したのか?これからピークを迎えるのか?回復するだろうか?かなり大きな弱気相場を見ることになるだろうか?といったことを考えるのだ」

ユースケースとコミュニティーの強度

最後に、優れた暗号資産プロジェクトならどれも、コミュニティーの関わり合いによってその価値が示される。結局のところ、買い手と売り手の数が市場で流動性を動かすのであり、それはアルトコインでもNFT(ノン・ファンジブル・トークン)でも同じことだ。

アルトコインのコミュニティー規模の普及度を測る方法は、業界関係者が「ユースケース」と呼ぶ、暗号資産を利用、適用、換金、交換する方法を評価することだ。

コミュニティーによるアルトコイの買い込みの最も分かりやすい事例はおそらく、ミームコインだろう。ミームコインは安値になれば、ほとんど無価値であり、ユースケースもほとんどゼロに等しい。しかし、ソーシャルメディアと著名なインフルエンサーを通じてその価値が高まり、今までになかった新しい用途が生まれることもある。ドージコインはそのような現象の典型だ。

オンライン投資サービスを提供するMoneyMadeのライアン・フォッチマン(Ryan Fochtman)氏は、仕事外でアルトコインに手を出していると語った。

遊びのための資金専用の個人的なポートフォリオの一部を使って、彼は投資に対するリターンが得られない場合もあるという健全な認識を持ちながら、アルトコインを買っているのだ。しかし、リターンが得られる場合は、コミュニティーによる買い込みがあるからだと、フォッチマン氏は説明する。

「アルトコインや暗号資産全般を使って日常的なアイテムを購入するという、新しいテクノロジーの波が来ている」とフォッチマン氏は話す。「今では、映画館チェーンのAMCが、暗号資産によるチケット代金の支払いに対応している。コインから引き出せるユースケースが増えるほどに、全体的により面白い分野となり、よりメインストリームな存在となるだろう」

さらには、メタバースや、ディセントラランド(Decentraland)などのバーチャル不動産プロジェクトも存在する。アディダスやナイキなどの大手ブランドがデジタルの土地購入に意欲を示す中、ディセントラランドのユーティリティトークンの価値は高騰している。

「話題になっているディセントラランドやメタバースが非常に気に入っている」と、フォッチマン氏。彼のデューデリジェンスの大きな割合を占めるのは、先を見据えて考え、人々に最も使われるコインはどれになるかを検討することだ。

「暗号資産分野全体が、進化してより賢くなっていると思う」とフォッチマン氏は指摘し、「アルトコインもしっかりとその一部になるだろう」と語った。

|翻訳・編集:山口晶子、佐藤茂
|画像:Shutterstock
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